私の視線は、「かつて誰かがそこにいた」という痕跡を探してきました。
古代遺跡が刻んできた時間も
道端に残された些細な忘れ物も
私にとっては等しく、かつて存在した何かの証明です。
共通しているのは、今はもうそこには誰もいないこと。
けれど、時を隔ててその場所に立っている自分との間に、
目には見えない対話のような瞬間が生まれることがあります。
このギャラリーでは、私がこれまでに出会ってきた「不在の存在」たちを展示しています。
これらは、新しく始動したプロジェクト『Trace Chronicles』へと至る、
私の眼差しの記録でもあります。
色彩を削ぎ落としたモノクロームの階調の先に、どのような気配を感じるか。
それは、ご覧いただく方それぞれの想像力に委ねたいと思います。
